【進撃の巨人】ミカサがエレンを殺した理由

※最終話までのネタバレあり

 

ロッド本体(首)を切ったヒストリアと、

ジークを斬首したリヴァイを比較しながら考察したところで

次なる「父殺し」、エレンを斬首したミカサの考察へと行きます

 

この記事のスタート記事は↓こちらになります

(くわしく知りたい方は読んでくれるとありがたいです)

tyune.hatenablog.com

 

 

ヒストリアに加えてリヴァイのパターンも入れないといけない応用編になるので

前回よりもさらに複雑に入りくんでいる予感がします

中途半端なところで投げ出すかもしれん(-_-;)

 

基本はヒストリアの画と同じになるように過去シーンを拾い集めてくる感じです

テーマは「父殺し」

 

ミカサが殺す「父」はエレンということになりますが、なぜエレンがミカサの「父」となるのか、ここを最初にハッキリさせておきましょう

6話『少女が見た世界』

逆に言えば、エレンがいなくなると何もできない(と思っている)

 

ちなみにエレンが死んでしまったと思った時のミカサの反応が

エレンが死んだとしても、あなたを思い出すことで生きていくことが出来る

でした

エレンの実体がなくなっても、「エレン」という存在をそばに感じることで生きていける

これは「神」を信仰することで生きていける、と同義と考えていいと思う

 

エレン=父なる神

7話でアルミンからエレンの死を報告されてしまい、生きる気力がなくなってしまったミカサですが、父なる神エレンの教えが

 

勝てなきゃ死ぬ、勝てば生きる

戦わなければ勝てない

戦え、戦え

 

なので、戦わずに死ぬことは神の教えに背くことになります

そう考えると138話『長い夢』で、エレンを殺さなければ自分が死ぬことになるのでミカサは戦った、エレンの教え通りに

ということになるな…

……お師匠さんを倒して、ようやく一人前になる、という話、あるよね?(^^;)

具体例が挙げられないんだけど…、あれも……父殺しか

 

ようは、子供はまず親から教育を受けるが、ある時が来たら親から自立して……

ん、なんかあったな、なんだっけ?

守破離」か

 

じゃあエレンとミカサは師匠と弟子の関係なんだね、という結論は、ちょっと待ってください

 

【整理】

ヒストリアの心の師匠はフリーダ、それに104期ユミルの「胸張って生きろよ」という遺言が残っていて、父ロッドは師匠でも何でもなくヒストリアを利用しようとしただけ

(神に祈るという目的がある、自分がしなければならないから死ぬわけにはいかない、だからヒストリアを利用)

 

リヴァイの心の師匠は……本編中で描かれていない部分で想像するとケニーで

「悪い奴を倒すには力が必要だ」的なことをいっていたのではないかと

リヴァイの最終目的を「地下街を出ていくこと」に定めているので、悪い奴らが俺を地下街に閉じ込めているといった認識があったのではないか?

そんなこんなで「人類のために心臓を捧げる」という名目でエルヴィンについていったリヴァイだが、その前提は崩れた

エルヴィンは人類のためでなく自分の目的のためにリヴァイを利用していただけなので、そこがロットと重なっている部分です

そしてヒストリアと状況を重ねたところで浮上した部分、「おねぇちゃんみたいになりたい」

それまでエルヴィンの期待に応えることを第一にしてきたリヴァイが、リヴァイ班というものを持ち、ガキどもの面倒を見るうちに芽生えた気持ち、幸福感

69話『友人』

力ではなく、心でちびっ子たちを導きたい、というのがリヴァイの無意識下での理想で

ハンジがそれをやってのけちゃった

この時、俺の代わりは居るって敗北感を味わってしまい、リヴァイ班から距離を置いてしまったのかも?

 

あ、元はこれか

愛想のねぇ死にかけの汚ぇガキなのに手を差し伸べてくれた

「ケニーみたいになりたい」

 

「ハンジみたいになりたい」から、さっさとエルヴィンの命令を済ませて、リヴァイ班の元に帰りたいが本音

「エルヴィンの命令さえなければ(ぐぬぬ…)」ということなら、ヒストリアが内心邪魔なアルマと重なります

けど、そもそもリヴァイが囚われているエルヴィンの命令なんてものは無いわけで

 

リヴァイとヒストリアのパターンから、ミカサの心の師匠は誰かと考えると、エレンと出会う前の両親ということになりそうです

そして、それはエレンの教えと重なる部分があった

↑やっぱこれですよね?(^^;)

食物連鎖、子供を育てるために残酷なことをする父

 

その鳥を殺さなければ家族が死ぬ

殺せば生きられる

腕を磨かなければ鳥を殺せない

戦え 戦え

 

まー、だから、ミカサは家族を持ちたいが本音なんだと思う

子供を育てたい

子供のために戦いたい

 

なんか、書いているうちに、何について書いているのかわからなくなってくるんだよな(笑)

いかんいかん

 

3名のことをまとめると、ロッド=エルヴィン=エレンとなります

心の寂しさ・孤独感が作り出した幻影、偽りの父、師匠といったところか?

ロッド、エルヴィン、エレンが、父や師匠ではなかったことに気付くって流れだよね

ロッドはヒストリアの実の父ですが(^^;)

ただのひとりの人間であることを受け入れる、でいいか?

偽師匠を殺して、本当に自分がしたいことを思い出す、というようなこと

 

ミカサの場合は「父殺し」しても、ややこしいことに、もうひとつ山があります

エレンが神でもなんでもなく、ただの孤独な人間だったことが判明したところで

勘違いして、これになっちゃった

「エレン…私だけはあなたをわかってあげられる…」

絶対離さないからね!

 

ミカサは自分が孤独なもんだか、今度はエレン(生首)をアルマ的なものにしてしまった(たぶん)

↑ロッドとアルマから生まれたヒストリア

 

というわけで、まずはエレンが孤独なことがわかるシーンを集めてくる感じになると思う

それともう一つ

 

ここで、二度目の呪いが解けています

飛び去って行く鳥の後ろ姿を見て、エレンを殺すと決めた瞬間のことをミカサは思い出した

(飛び立つファルコ巨人の姿が重なった)

 

最初にアタリをつけてしまいますが

「私だけがエレンをわかってあげられる」

もしくはエレンから「ミカサ…お前だけだ、オレをわかってくれるのは…」と言われ、ミカサはそれを都合よく解釈してしまい、エレンを想い続けてあげられるのは自分以外にいないと、墓を建ててエレンを想い続けていましたが(エレン生首はヒストリアに渡したので墓の下には何も埋まっていないと考察)

 

ミカサは突然、エレンの言葉の真の意味がわかってしまった

 

1話『二千年後の君へ』

なんてことの無いエレンの日常を、ミカサは小さい頃から共に過ごしています

だからエレンがどれだけ調査兵団というものを愛してやまなかったか、ミカサだけはわかってくれるだろう?

 

エレンが望んでいたのは、巨人を恐れず壁外への進出を試みる調査兵団の存続です

エレンがミカサに求めていたのは、それだけでした

 

それを「ごめん、できない」と拒絶し、エレンを殺した時点で、ミカサの役割は終わっていた

という内容にするので、2つめは、エレンの気持ちが調査兵団に向いていることがわかるシーンを集めて、冒頭のヒストリアの画のミカサバージョンを完成させます

 

「それでも君を愛す、何を犠牲にしてもそれでも君を守る」

エレンの場合の「君」は、調査兵団自由の翼ということですよ

↓「悪魔の子」のアニメスペシャルVerも、そういう作りになってます

tyune.hatenablog.com

映像でミカサが差し込まれるのは、「何を犠牲にしても」で出てくるエルヴィン、ハンネスの並びなんですよ

 

 

では、ミカサはなぜ、こんなことを言ったのか?

ということを考えたのですが

 

なんとなく、エルヴィンの最後のセリフのシーンと、雰囲気が似ているような気がしました

エルヴィンが新兵達を殺した理由が「先生… にいないって…」というセリフに凝縮されていますよね(地下室に行きたい)

だから、ミカサがエレンを殺した理由が「マフラーを巻いてくれてありがとう」なのではないかと

 

「マフラーを巻く」って、たぶん比喩的表現ですよね(^^;)

 

エルヴィンの「地下室に行きたい」は、そこに眠っているかもしれない「この世の真実を見たい」であって、別にエレンの家の地下室に行くという意味ではない

 

ミカサの「マフラーを巻いてくれてありがとう」もそんな感じのはずなので、

帰る家が無くなってしまい心細くて寒いミカサにエレンがマフラーを巻いてくれた

そして「あったかいだろ?」と気づかってくれた

それでミカサは温かくなったから、一人ぼっちじゃないという実感が得られた的なことですよね(^^;)

言葉で説明しようとすると難しい(^^;)

マフラーを巻いてくれてありがとう=私を気づかってくれてありがとう

何度でも巻いてやる=何度でも私を気づかってくれるってことね!

 

マフラーを捨ててくれ=オレはもうお前を気づかわない

とか、お前とは家に帰らない

という意味になってしまうので

 

エレンがいないと自分はまた一人ぼっちになってしまう

エレンが遠くに行かないようにするためには殺すしかなかったから、ミカサはエレンを殺した

自分のことを気づかってくれた優しいエレンでないと、私はエレンを思い出すことが出来ない

生きられない

 

勝てなきゃ死ぬ、勝てば生きる

戦わなければ勝てない

 

 

つまりミカサは、エレンを殺したのは自分が生きるため、ただの自分の身勝手で、自分はただの人殺しだったということを認めた

ということでいいのか?(^^;)

いいよね

 

 

 

あと、ミカサのきゅっと結ぶ口元が、ハンジの最期にも似せているような気がするんですよ…

「死ぬこと」を覚悟して、ぐっと口を食いしばってから

「ああ…やっぱり巨人て素晴らしいな」

といって死んでいくハンジ

 

エルヴィンも自分が死ぬこと(及び新兵を殺す決意)をする瞬間の顔はこれですし

自分はただの人殺しだと認める瞬間だったり?

 

ハンジも自分の身勝手で誰かを殺して、その理由が「ああ…やっぱり巨人て素晴らしいな」

描かれている範囲でいえば、リヴァイを助けた時に泣きながら殺した4人を含めたイェーガー派、フロックのことだろう

やっぱり巨人て素晴らしいな=調査兵団のような……

 

ハンジの考察は、今回は除外します