【進撃の巨人】リヴァイとヒストリアの比較(その4)

※最終話までのネタバレあり

 

今回はジークバージョンに挑戦していきます

ジークの過去は単行本28、29巻に載ってます

 

牢に閉じ込められてしまったロッドのところ、ジークが窓の外の風景を見て「これでよかったんだ」と一人納得するシーンが画的にはそっくりですが

内容を考えれば、グリシャが怖くて自分の本当の気持ちを押し込めてしまうジークの方がピッタリ

母ダイナも、グリシャの怒りにちょっとビックリしているような印象を受けますが

87話『境界線』で、注射を打たれる前のダイナの発言から、グリシャを恨んでいないことがわかるので

ダイナはグリシャと出会い復権派として活動したことに悔いは無く、復権派リーダーであるグリシャを尊敬していると伝えているのではないかと思います

グリシャに巻き込まれたというよりは、王家である自分がグリシャを巻き込んだという考えかもあるかも?

「あなたは飛行船を見たかっただけだったのに、巻き込んでしまって申し訳なかった」

「それでもあなたのことを愛しているから、どんな姿になっても、もう一度あなたに会いたい」

ということかも?

 

なんであれ、愛に生きるダイナなので、子供よりも夫

 

ということを考えると

このウーリに当てはまるのは母ダイナかなあ?と考えましたが……

(※ウーリ=ロッドに優しく朗らかにプレッシャーをかけ、ロッドを苦しめる存在です)

見返りウーリという構図的にも、朗らかなプレッシャーという内容的にも、このグリシャもピッタリ合う

両親を持ってくるのが正解かもしれん

 

続けてこれもやってしまうおう

両親を告発するジー

告発はイコール両親の「死」を意味する

 

グリシャとダイナの子供であるジークに罪悪感が無いわけがない

「……神よ」

 

自分のせいでお父さんとお母さんが死ぬ

その現実が付きつけられる

罪悪感に押しつぶされて精神崩壊しそうなジークを支えてあげたのがグサヴァーです

↓じいさんは崩壊してしまいました

 

115話『支え』

クサヴァーを失ってからも、たったひとりきりで目的達成を胸に秘め黙々と自分の日常である役割をこなしていたジークだったが、実は精神がギリギリ状態だった

そんな時にエレンを見つけてしまった

クサヴァーと誓った安楽死計画の件は譲れないけど、エレンと慰め合おうとしたジーク(^^;)

ライナーとベルトルトの報告を受けた時に、弟の存在は認識はしたよね?

でも実物のエレンを見て、想いが溢れちゃった

 

エレンがグリシャを食ったのではなく、「始祖」だけを直接食ったと思いこんだんだ感じだな

事実を知ったのはこの時(121話『未来の記憶』)

 

自分もクサヴァーを食った

目的のために

だからエレンやグリシャも自分と同じような並々ならぬ決意があり、エレンがこの場「道」に立っていることを思い知る

(でもグリシャはエレンに従ったことを後悔しているという)

 

想定外だったことが次々に判明して、エレンの洗脳を解いてエレンを救ってあげようなどと悠長なことを考えてる場合じゃなかったと気づいたことで、ジークの中で焦りが生じる

※ここで挙げられる「進撃」の能力は、すべてジークの思い込みの羅列です

叙述トリックです

※エレン全知全能説は、すべてジークの発言が元になって発生したものだと思う

ここで念のため「叙述トリック」の意味を調べるちゅね(^^;)

間違った使い方してたらゴメンよ

冷静さを失ってしまったことで

あれほど大切な存在だと思っていた弟エレンの気持ちなどそっちのけで

事を急いでしまった兄ジー

 

フリーダは父ロッドの志を純粋に信じて使命を全うしようとする存在です

それなのにロッドに置いていかれて死ぬ、という運命

と考えると、イェレナが真っ先に浮かびましたが

ジークの「獣」の継承者であるコルトかもしれない

ジーク戦士長を信じていたピークやガビ達みんなも入るかもしれないよね

 

あ、あと、これも追加

リヴァイがこの場面を見ることによって、113話『暴悪』で拷問を受けている最中のジークが「俺の眼鏡はどこだ」と言った理由が理解できるんだろう

ジークはクサヴァーの実体を失った代わりに「クサヴァーの眼鏡」でクサヴァーを傍に感じ、生きる気力としてたんだ

リヴァイの場合が、エルヴィンの実体を失った代わりが「獣の巨人を殺す」で、それが生きる気力となっていた

リヴァイの場合、ちょっとアレンジが加わって、新兵達を殺した罪を妄想エルヴィンが「お前は悪くない」と言って慰めてくれるという

なんていったらいいの(^^;)

きれいなジャイアンみたいな感じで、リヴァイは「きれいなエルヴィン」を自分の中で作り、そのエルヴィンが「すべては死んでいった仲間達のためだ」と慰めてくれることで、あの時に死んだ大量の新兵達の最期の姿を消してくれた

そうしないとリヴァイの精神が崩壊する

 

辛すぎることが起きると自己を守るための防衛機能が働くというのは、現実でもあることだですよね(記憶喪失とか)

リヴァイは精神も強靭なはずだという先入観を利用した、これも叙述トリック

だからリヴァイの矛盾にも気付きづらい

 

 

シーンを繋げてみましょう

 

 

 

 

 

 

 

フリーダのところは、ジークとコルトにして

イェレナは入れないことにした

クサヴァーさんも、ジークにトンデモナく大きな夢を託して「あとはよろしく」って死んじゃうから、清廉な人というわけじゃないよね(^^;)
その点でも、まだ小さいリヴァイを置いていってしまうケニーと重なる

 

あ、わかった

ケニーも夢とは言わないまでも、リヴァイに話したことがあるんじゃないのか?

うーんと、存在するだけで殺そうとしてくる悪い奴らがこの世を牛耳っているとか(^^;)

 

「悪い奴らを倒すためには力が必要だから、お前も強くならないといけないとな」とか言って、リヴァイを鍛えた

それでナイフの握り方や、ご近所づきあい、身の振り方とナイフの振り方を教えていったら、リヴァイはクッソ真面目にケニーの言うことをきいて習得していく

「(こいつは賢くて…いい子だ…)」

「(俺が育てちゃいけねぇ子だ…)」

だからケニーはリヴァイの前から去って行った

(お前が保護しなきゃダメだろうが(;^ω^)、

 

ケニーのおかげで習得したリヴァイの能力は、すべてエルヴィンが使わせてもらった(笑)

賢くていい子なリヴァイはケニーから貰えなかったものを、エルヴィンから得ようとしてしまった

まさか自分が居なくなることで、子供にこういう悪影響が出てしまうなんてことは想像もしなかっただろう

 

結局のところ、憲兵団とは言ってもケニーは始祖を手に入れてクーデター的なことを目論んでたわけで、調査兵団と目的は同じだったわけだよね

悪い奴をやっつけることは正しいことだと信じてる賢くていい子なケニーの甥っ子である

リヴァイを理解しているケニーは、リヴァイが調査兵団に居る理由がわかっていた

 

 

 

さて、一通りやってみたところで、137話『巨人』のジークと68話『壁の王』のジャンの共通点を考えねばならんのだが

 

ジークはリヴァイのことが理解できたから、リヴァイを信じようと思った

もしかしたらジークは自分の過去を見せようとしてリヴァイに接触したのかも?(接触する方法があれしかなかったとか)

 

ジャンの場合は…ヒストリアを信じたから譲った

ジークの目的は(たぶん)エレンを救ってほしい的なもの

ジャンの目的はヒストリアに女王になってもらいたい、というのはあるよね?

ここでジャンがリヴァイの様子を窺っているような気がする

以前とは違い、ジャンはもうリヴァイを信用している

リヴァイが、リヴァイ班のひとりひとりの性格などを良く把握していて、それぞれにあったフォローを入れることを知ったから

 

ヒストリアを締め上げた時の状況として、不自然なのは

ここ

 

言い忘れていたんじゃなくて、言いづらかっただけだよね

ヒストリアが気の毒だと思ったからだろう

「突然この世の人類の最高権力者になれと言われ、はいいいですよ、と即答できるような神経をしている奴は…」

 

信用できない、とか?

 

ジャンの変革を簡単に追っていきましょう

57話『切り裂きケニー』

58話『銃声』

59話『外道の魂』

詳しい内容は原作で読んでください

単行本だと13巻~15巻

 

ええと、ジャンが絡んでくるものについては、むちゃくちゃ好意的な解釈をしてもいいと思ってます(^^;)

なんせジャンの特徴は「現状を認識する能力(シャーディス長官・談)」「状況を読める(本人・談)」

検索掛けてみると「状況把握力」という単語が出てきた

自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力、だそうです

なるほど確かにジャンはそういうキャラだ(そういうキャラがジャンだ)

 

56話のリヴァイは「女王になりたくなかったら逃げろ」と言って暴力行使に出た

68話のヒストリアは「逃げないで自分の運命と戦いたい」と訴えて、作戦に参加する意思を曲げなかった

リヴァイは「時間がない」と言うが、あの時のようにヒストリアを締め上げない

リヴァイがそれをしなかったことが全て、とジャンは状況を読んだ(ヒストリアは女王になろうとしている)

そのヒストリアが名ばかりの王にならないように、ちゃんと民衆から愛される女王になれるように、ロッド本体を見つけたのは自分が先だったけどヒストリアに譲った

 

あと、52話『クリスタ・レンズ』でヒストリアの生い立ちを聞いたリヴァイは、ヒストリアは民衆のために尽くす女王に向いてると内心思っていたのではないだろうか?

リヴァイが部下の性格をよく把握していることを見て取ったジャンは、リヴァイがヒストリアを「女王向き」と判断していことがわかった

 

結構うまくまとめられたんじゃないか😃

…でもなんか……抜けてるような気もしないでもないけど…

気がついたら追記していきます

 

けど、ヒストリアはその後の、ジャン達調査兵団を裏切ってイェーガー派につきますし、リヴァイはエレンを止められずに殺す選択を変えられなかった

 

ジークとジャンの誤算は、共にエレンを軽く見積もったことだ

なぜヒストリアが父を捨ててエレンを助けたのか、その詳細は知らなかったもんね

まさか「人類なんて滅びればいい」からエレンを助けただなんて……

といっても、ヒストリアが寝返ったのは、エレンを助けたいからじゃなくて、父ロッドがフリーダを助けてあげなかったことの方に理由があるんだけど

 

ヒストリアは、「自分なんて誰からも必要とされてない」と言って泣いている子に気付いてくれて、面倒見てくれるような人(フリーダや104期ユミル)になりたかったからエレンを助けたのであって、世界一悪い子だから助けたわけではない(^^;)

エレンが都合よく解釈して、都合よくヒストリアを利用しようとしただけだ

↑これ

(ただしヒストリアはエレンの子を妊娠するのは回避した)

 

ジャンは、エレンについていったら地獄に導かれると最初から言っているんですよね

でもアルミンと信頼関係を築いたせいで説得されちゃったのか(^^;)??

エレンを信じたというより、エレンを信じるアルミンを信じた感じがする

あ、もしかしてジークもそうなのか?

>エレンを信じるアルミンを信じた

 

あちゃー、アルミンはドヤ顔で勘違いして失敗するのが定石だからな(^^;)

118話『騙し討ち』

↑以前のジャンなら、この先は無かった

↑アルミンと親しくなった弊害

そういうことか(笑える)

 

ジークが外の景色を爽快な気持ちで見られたのは、クサヴァーと出会いキャッチボールをして楽しいと思えたからで

おそらく、あの時の気持ちをここで思い出してますよね

これに掛かってくるとしたら……

この辺りだよね(120話『刹那』)

 

「いっぱい殺しといて」というのも、ジーク自身のことかもしれないけど、弟のエレンのことを言っているような気がする

「虫が良すぎる話だけど、エレンを殺さないでくれ、助けてくれ」みたいな

 

グリシャを切り捨てたのはジーク自身なのに

そのグリシャが新たに築いた家族があまりにも幸せそうでジークは妬んでしまった

だからグリシャの本性を暴いてエレンに突き付けてやると躍起になり、次々にグリシャの記憶の扉を開いていき、そのジークの行動が地鳴らしに繋がった

ジークもジークで、エレンの幸せを「壊してやる」と

あの時に引き返していれば、と

 

 

うん、まあ、壊したくなるよね、お兄ちゃんだって(^^;)

 

クサヴァーも家族を巻き込んだことを後悔していたのだから

父も自分のしたことを後悔して苦しだかもしれないことは想像できたはずだったのに

父憎しのあまり、考えもしなかった

ということもあるかな?

は! ジークも「父殺し」が出来たわけか

 

は! クサヴァーとグリシャ(第二の家族)が重なってるわけか

クサヴァーは自身の愚かさから妻と子を失い、贅沢な自殺として戦士になったが、それからの13年間は巨人研究に没頭し、ジークと出会いキャッチボールして楽しかったと語った

 

これをグリシャに変換すると

グリシャは自身の愚かさから妻と子を失い、贅沢な自殺(???)として進撃を継承したが、それからの13年間(?)は新しい家族の父や医者として役目に没頭し、エレンが生まれ、たくさん遊べて楽しかった

 

クサヴァーにとってのジークが、グリシャにとってのエレンだった

なんてことの無い日常が幸せなこと言われても、エレンのなんてことの無い日常をジークは壊してしまったという

 

 

tyune.hatenablog.com