※最終話までのネタバレあり
2022.5.13.エレンを殺したミカサについて書いた箇所、うっかり失念していたことがあったので訂正しました
2022.5.15.エルヴィンの特攻について書いた箇所に追記
前々回の記事は、途中から徐々に感情的になっていき、筆が走る走る
自分でももうちょっと冷静になって書いた方が……と思ったものの、まあいいや、とも思ってしまい(^^;)
あれからずっと考えてたわけじゃないんですが
幾分か冷静になったので、エルヴィンのことを見直してみることにしました( ̄▽ ̄;)
最初から言っておきますが、いい風にはなりませんよ
場合によっては前々回の記事で解釈したエルヴィンの方が、まだマシかもしれないです
ひょっとしたら、ちゅねはエルヴィンというキャラを過大評価していただけなのかもしれないです
ちゅねにとってエルヴィンというキャラは、人の上に立って苦悩しているという点で好感を持っていました
ちゅねが気になるキャラといえば、ハンジとかミケとか、ちょっと変わり者ぽいキャラに惹かれる傾向がある
さらにシャーディス教官のような堅物で挫折を味わっているのは魅力を感じる
好きなキャラをあげれば、それらに加えて、モブリット、ジャン、ケニーとかになるわけで
で、そういったキャラよりも、【進撃の巨人】の場合はエレンとミカサがどうなるのか(今ではリヴァイとミカサですが)、恋物語の方がちゅねにとっては重要だったので
そこがいかに興味が惹かれるか、というところで読んでた(興味が失せたら読まなくなった漫画等はこれまでにたくさんあった)
エレンに興味が失せたところで(見切りをつけた)リヴァイを見つけたから乗り換えたんですねつまり( ̄▽ ̄;)
ヒストリア妊娠のくだりで、散々やきもきさせられて、エレンとミカサを追うのに疲れてしまいまして
ヒストリアとの関係がどうであれ、エレンがミカサではない誰かとこんなに親密になってる(秘密の共有とかしてる)時点で、もう嫌だな、と
エレンはああいうヤツなんだよ
で、ミカサはエレンじゃない人とくっついたほうがいいと考えるようになり、リヴァイの存在に気がついたら、物語として断然こっちの方が面白いと感じました
というわけで、物語を追う上で、エルヴィンのことはあんまり重要じゃなかった
エルヴィンについては
頭が良くて優秀な団長
多くの部下の命を握っているので大変な立場
と、よく考えもしないで、そう受け取ってしまってました
あとはあれだよ
ことあるごとにアルミンが語るエルヴィン像(アルミンの思い込み)に誘導されてました
たとえば27話『エルヴィン・スミス』、樹上でのアルミンとジャンの会話
何かを変えることができる人間がいるとしたら
その人はきっと
大事なものを捨てることができる人だ
これは多分アルミンのセリフの中では代表的なものになると思うけど
このセリフに至るまで、これまでの事件やトラブルが複数のキャラの口から語られて
27話冒頭から、それは始まっていますね
それが最終的にアルミンのセリフで集約されるような形になっている
このエルヴィンの画がまた(^^;)
まるですべてがエルヴィンの能力のみで切り開いてきたかのような錯覚に陥るんですよね
……こうして見ると、ほんと悪意ある画だな…と感じてしまう
狙ってやってるよね?これ、完全に
と思っちゃうんだけど、例によって真相はわからない
何も捨てることができない人には
何も変えることはできないだろう
(ドヤ顔)
アルミン、こういうとこあるよね(^^;)
エレンの時にも同じことやらかしてるし
あ、あとベルトルトの時もか
【タイトル・モテないアルミン】
ほら、アルミンて度々エルヴィンコンプレックス晒してたじゃないですか
それで、ちゅねもすっかりアルミン視点になってしまって、「エルヴィンだったら…」となってしまうわけですね
でも、このエルヴィン像、ただのアルミンの思い込みだと思う
智将エルヴィンというのは、あくまでもアルミンというフィルターを通して見えた幻です
あと『白夜』のリヴァイフィルター
「こいつは悪魔になるしかなかった、それを望んだのは俺達だ」
とリヴァイが言うもんだから、読み手のこっちとしても「エルヴィンはみんなが望んだからずっと非情な決断をくだす悪魔で居続けたんだ」「エルヴィンはずっと辛かったんだ」と思ってしまうでしょ
でも、これはただのリヴァイが思い描いたエルヴィンであって、本当のエルヴィンは本人の口から語られる、あくまでもザックレーとの会話の方なんですよ
62話『罪』
ザックレーとの会話すべては本編で読んで確認してね
「自分はとんだ思い上がりをしていたようです」とまで言っているんだから
自分は多くの部下から望まれたから、理想の団長(非情な決断を下せる悪魔)になっていると、自分でもちょっと思い込んでいたところがあったけど、「やっぱ違うわー」と認めた
どちらが真実かといえば、やっぱりエルヴィン本人がそうだと認めた方でしょう
悪魔になることを望んだ俺達(部下たち)の存在も事実ですが、リヴァイの言う「エルヴィンは悪魔になるしかなかった」というのが思い込み
エルヴィンは自らが望んで悪魔になっただけであり、この世を「地獄」とは思ってはいないので、「死」は解放でもなく、「死」も望んでいなかった
殺してほしいなどとは1ミリも思っていなかったエレンをミカサが殺してしまったのと同じで、リヴァイも自分の思い込みでエルヴィンを死なせただけの話です
間違えました
ミカサは、無垢の巨人化させたジャン達を引き連れて島に戻る、自分たちは巨人一族だから無垢の巨人とも共存していくなどという理想ばっかり言い出したエレンを(大虐殺しておいて)、これ以上生かしておいてはダメだと思い殺したのでした(あくまでも個人的な解釈ですが)
死にたいわけではない相手を殺した点では同じかなあ?
エルヴィン(エレン)は殺したほうがいいと判断したから殺した
これだな
エルヴィンの優れているところをピックアップしてみよう
まずグリシャと似ている、というのはあると思う
で、グリシャの息子のエレンとも似たところがある(グリシャとエレンは気質が似ているところがあったから)
結論からいえば、エルヴィン単体の能力は、それほど高いわけではないのではないかと、ちゅねは考えた
非情な決断を下せる
人を従えさせる能力に長けてる
いいと思ったものは取り入れる(地下街のリヴァイや、若造のアルミンの意見など)
エルヴィンの何が恵まれていたかと言えば、優れた部下がいたことだと思う
優れた部下、代表的なのがハンジとリヴァイになると思うけど、それらを揃えられたのがエルヴィンの大きな力となった
エレンで例えれば、ミカサという力を手に入れたことで、クソガキグループの中での地位が格段にあがったみたいなことです
壁を壊そうとする奴らが兵団の中にいることや、女型捕獲作戦などなどについては、
これらすべてハンジに意見を聞き、ハンジが考案したことを実行に移していたことだと思う
あとはエレンの言った通りです
74話『作戦成功条件』では、完全にアルミンを当てにしています
こういうところを、エレンはちゃんと観察していた
エレンが「人類を救うのはアルミンだ」と言ったのには、ちゃんと根拠があったわけですね(未来視とか預言とかハッタリじゃなくて)
といっても、決して、他人のふんどしでどうこう、というんじゃなくて
エルヴィンは自分よりもアルミンの方が長けていると思えば、ちゃんと取り入れて、そして自分はフォローにまわる
これって、自分が父やキースにしてもらえなかったこと、してほしかったことを、ちゃんとやってあげているんだと思います
ハンジのことも、そうしてフォローしてきて、ちゃんと自分の役に立ってもらった
こういうところにエルヴィンの父性が発揮されているんだろう
能力を見極め、適材適所に配置し、能力を最大限発揮できるようにフォローする
ということもしているか
これはリヴァイにもしてるよね
エルヴィンにとって調査兵団の部下たちはみんな子供で、自分はあくまでも父役だね
けどリヴァイの場合(及びリヴァイ班の位置づけ)は、組織の中では特殊で独立した存在で、マーレ側でいうところのタイパー家なので、リヴァイの「エルヴィンはお留守番していろ」発言は、ヴィリーがマガトに命令するようなものなので、当然ながら突っぱねられる
というか、ヴィリーとマガトの場合は逆だったね
(マガトがヴィリーを失うには大きすぎると言ったが、ヴィリーが突っぱねた)
エルヴィンの目的は、「外の世界で人が生きていることを証明して公にし、亡き父に報いる」ですよ(たぶん)
「真実を隠蔽し、父を殺した存在への恨みを晴らす」
これを、非情な決断を下せるリヴァイなら、自分が死んでも代わりに成し遂げてくれるとエルヴィンは判断してリヴァイに後を託した
(このあたりで、前々回の記事では頭に血が上って偽善者云々と書き始めちゃったのね)
自分の「何か」を誰か他の人に託すという点で、アルミンとエルヴィンが重なっていますので、前々回の記事に追記として書いたものを、こちらにも書いておきます
エルヴィンとアルミンの違いは、エレンの言った通り「夢」
エルヴィンのは「夢」じゃなくて「遺恨」
アルミンは海を見たいという「夢」を、自分が見に行けなくてもエレンが見てくれるのならいいと、エレンに「夢」を託した
エルヴィンは父を死に追いやってしまった「遺恨」を、自分が晴らさなくてもリヴァイなら晴らしてくれそうだから、リヴァイに「遺恨」を託した
これにグリシャのパターンを加える
グリシャは「飛行船を見たかっただけなのに妹が殺され、外に出た自分が悪いとされてしまう、こんな世の中間違っている」という恨みを抱えている
エレンは「なぜ調査兵団になりたいのか」というグリシャの問いに、「外の世界のことが知りたい」という憧れと「後に続く人がいなければ、これまで死んだ調査兵の命が無駄になる」という正義感を示してみせた
そこへ母親が巨人に食われてしまったという事実が発生したことで、グリシャの中で息子エレンと自分の状況が全て重なり、想いがひとつになったと判断
自分が成し遂げなくてもエレンがやってくれると、エレンを後継者に選んだ
これをエルヴィンに置き換えまして
エルヴィンの無念は要約すると
「真実を知りたいだけなのに(外の世界のことを知りたい)、それを邪魔するやつらがいる」ということだと思うので(グリシャも似たようなものだよね)
エルヴィンからしたら、地下街から外に出たリヴァイも似たようなものだと感じた
エレンの気持ちも合わせて考えれば、「外に出たいのに、それを邪魔して閉じ込めようとする奴らがいる(そいつらを倒したい)」は、少なくともエルヴィン、リヴァイ、エレンに共通していることだと思う
エルヴィンとエレンは肉親を殺されたけど、リヴァイの場合はリヴァイ班ということにして
ウォールマリア奪還作戦で、またリヴァイが守りたかったリヴァイ班が全滅したかもしれない状況が発生したので、エルヴィンはリヴァイに「大勢の新兵の命を犠牲にしても「獣」を倒したいよな?」と問い、リヴァイはそれに応えた
ここでキースの言葉を借ります
「待て…その子(達)に託すつもりか?」
「お前が討てばいいだろ、父の仇を」
「自分の代わりは居る」と50話『叫び』でエルヴィンはいいますが、それは自分よりも優れたハンジやアルミンが現れ、アルミンが現れた以上、フォロー役はハンジでも出来ると思うようになってしまったのかな?
75話『二つの局面』
ここでエルヴィンとアルミンの能力の差をはっきりと示しているように思いました
荷物の中身に気を留めないエルヴィンと、気を留めるアルミン
といってもアルミンも緊張の中では頭も働かないだろうから、エルヴィンがいることで落ち着いて考えることができる(ジャンがエルヴィンの代わりを務めた感じか?)
もしかしたらアルミンが壁の外側に行ってれば、外側の戦況は変わっていたかもしれないですね
ただ、そうなると壁の内側のエレン達が全滅していたのかも?
エルヴィンの頭脳はハンジとアルミンなので、この2人以上のものがエルヴィンから出てくることは無いと思います
エルヴィンの優秀な部下たちはハンジ、リヴァイ、アルミンを除いて死んでしまいましたし
さて、エレンに痛いところを突かれたリヴァイが何を思ったか
これも完全にただのちゅねの考えになってしまいますが
あの時のエルヴィンとリヴァイに欠けていた視点は
壁の内側でエレン達がライナーとベルトルトの捕獲に成功するかもしれないこと、じゃないだろうか?
もちろんこれも結果論だけど
でも可能性はゼロではなかったというか、壁の内側がどうなっているのかを確認するという考えが抜けていたんじゃないかと思う
あの爆発と、壁の上まで吹っ飛ばされてひっくり返っているエレン巨人を見て、もう悲観的になってしまった
エルヴィンは壁の外側にいる戦力のみで、確実に「獣」を仕留められるかもしれない方法で、どうしてもリヴァイに「獣」を仕留めてもらいたかった
自分の命を引き換えにしてもエルヴィンは負けたくなかった(勝ちにこだわった)
エレンと同じ
リヴァイもリヴァイで敗走することしかエルヴィンに提示できなかった
まー、やっぱり結果論だけど、特攻するのが最善と結論付けた無能なふたりということになるんだろう
特攻作戦を言い出したエルヴィンを賛美することは、やっぱりどう考えてもダメなんじゃないかと思い至ったのでハッキリと書く
エルヴィンは無能
無能と自覚しながら引き下がらなかった馬鹿
エルヴィンとリヴァイは無能コンビ
71話『傍観者』
エルヴィンの場合、頭のすげ替えを本人に代わってリヴァイがやってあげた
あとは事実を公表すれば良かっただけの話
リヴァイは自己保身に走ったのかも?
という悪意ある考察は必要ですかね?(^^;)
一応、この時のリヴァイに重なっているキャラは
始祖を奪われて一人だけ生き残り、その事実を隠ぺいしていたロッド・レイスなんですが
エルヴィンが特攻を言い出した原因て、やっぱりリヴァイのずば抜けた能力があったせいだよね
リヴァイの力があれば、だいぶ無理が効く
無謀なこともできてしまう
リヴァイのおかげで色々出来たかもしれないけど、逆に言えばリヴァイの力に頼りすぎたせいで破滅した(といったことは、どこかで書いたな)
リヴァイという力が無ければ、エルヴィンは別の方法を思いついたのかもしれない
これはリヴァイ本人も然り
アルミンとハンジを失ったかもしれないことが、エルヴィンの中で大きかったような気も
女型の時には撤退を決断してるんだから
あの時は、まだ出直せると思ったからだよね
特攻については、キース団長時代に何度も訓練していたことだから、エルヴィンにはもうこれしか出てこなかった可能性もあるな
あの特攻は、1話『二千年後の君へ』のこれと、やっぱりほぼ同じですよね
この時からエルヴィンが特攻作戦で死ぬというのは既定路線とも考えられますね
この独白は
あの時に味方の生存と味方の作戦成功を信じられなかった無能なふたり、というリヴァイの自覚の現れ
「エルヴィン、(なんでもかんでも最終的には)お前の判断を信じよう」といった過去の自分を誤りだったと認めている
『白夜』の時のリヴァイには、ひとつの理由でなく、複合的な理由があって結果アルミンを選択した
エルヴィンが選択肢から消えたのは最初の段階
この時に「道」から息子ベルトルトの干渉があったのではと考えている
グリシャを脅したエレンのような感じで、「この男がさっき言ったこと(地下室に行きたい)を忘れたのか?」のようにリヴァイに語りかけた
というのなら、エルヴィンは人類の勝利や自分の身体よりも地下室に行くことが大事だということをリヴァイは知っているのだから、選択肢から外すしかないよね
あとは「忘れたのか? 何をしにここに来たのか?」だよね
エルヴィンを生き返らせることがお前の目的なのか? 違うだろ
ってね
(リヴァイの目的は、あくまでもミカサとの未来ね)
(これがベルトルトの未来でもあるから、ベルトルトも必死!)
そのあとで、エレンとの「道」でのごっこ遊びを思い出し
選ぶべきはベルトルトだということが分かったが、アルミンを選んでしまった
この間のどこかで、壁の内側で仲間たちが善戦していたことを1ミリも考えていなかった自分たちの無能さを痛感した
無能をこれでもかと連呼する(笑)
84話でも137話でも、特徴的に描かれるのはハンジやアルミンの笑顔であり
「呆れるほどおめでたい」というポジティブなワード(唐突だけど)
このことからも、ポジティブに物事を捉えて(明るい未来とか希望とかで)作戦を立てられなかったことをリヴァイは反省しているからこそ、エルヴィンを選ばなかったことに悔いは無いと言い切っているような気がする
ハンジの特攻を止められなかったこともね(←飛行艇を飛ばせることが出来るとは考えられなかったリヴァイ)
ハンジの特攻は飛行艇を飛ばすことに役に立ってたと思ってたけど、どうなの?
役に立ってたなら「吉」だけど、立ってなかったのなら「無意味」だよね
だからあの時のリヴァイはダメだとは言えないんだけど
エルヴィンに関して気が付いたことあったら、追記として書き加えていきます
2022.6.3追記
とあるニュース記事にて、日本の戦時中の特攻について
国に尽くす市民であれという要請が広がり、こうした押しつけ型の「ロールモデル」に対する抵抗の弱さが招いた、悲惨な結果の一つに「特攻」があった
と書かれていた
ロールモデル(お手本となる人物)は当然エルヴィンとなり
エルヴィンも新兵達を特攻させるには自分がロールモデルにならないといけないことは理解しているわけだ
(その前に、調査兵団は全滅する可能性の方が高いと絶望しているわけで)
で、この気迫に押されて新兵達は抵抗できなくなったわけだ
↓エルヴィンについての追加記事