【進撃の巨人】ミカサがエレンを殺した理由(その5)

※最終話までのネタバレあり

 

 

tyune.hatenablog.com

つづきです

 

 

 

まただ……

 

また これだ…

 

また家族を失った

 

また、この痛みを思い出して

…また…ここから

始めなければいけないのか…

 

 

「ミカサ」

 

「俺達には始祖がまだ必要なんだ」

「兵団はほぼ壊滅状態」

 

「エレンまで死んだとなれば…!!」

 

「エルディア帝国は象徴を失う」

「あの壁の中で希望の灯火を絶やしてはならないんだよ」

 

 

「それはヒストリアにだって…できる」

 

 

「確かにヒストリアは逸材だ」

「だが我々の戦いはこれからもずっと続く」

「まだエレンの実績と統率力が――」

 

 

「俺にも帰りたい場所がある…」

 

「巨人を絶滅させて、あの狭い世界を出たら……」

 

 

 

 

 

 

調査兵団に入る前から

別れの日々だった

 

 

「でも…わかっているだろ?」

「誰だっていつかは別れる日が来るって」

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

「エレン、聞いて、伝えたいことがある」

 

「私と一緒にいてくれてありがとう」

 

「私に…生き方を教えてくれてありがとう」

 

「……私に」

「マフラーを巻いてくれて、ありがとう」

 

 

「そんなもん、何度でも巻いてやる」

「これからもずっとオレが何度でも」

「って…」

 

「でもそんな…ガキの頃の私の夢は」

「エレンはとっくに忘れてて…」

 

「母親の仇とか…」

「巨人を殺すこととか…」

「何かを憎むことしか頭になくて…」

 

「でも、私は違うんです…」

「私は戦うだけじゃない」

 

 

「襲ってくる敵を全部倒したら、また戻れるって」

 

「…頭のどこかで、いつか、エレンが“あの時”を取り戻してくれるって」

 

「夢が」

 

「それが叶うと…思っていた」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたはもう辛い思いをしなくていい」

 

 

「でもアルミンは私達と飛行艇に乗り」

「エレンの下に向かう」

 

 

 



 



 



 

 

 

 

…また二人しかわからない話して

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

「ミカサがエレンにキスしているのを見ながら」

「俺は」

 

「なんでミカサはエレンにキスしているんだって思った」

 

 

f:id:tyune:20211116160523j:plain

「…え?」

 

 

 

「そして怒りに任せてエレンを殺した」

 

「よくもミカサを」

「とか言いながら」

 

 

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 

戦え!!

 

 

 

 

 

f:id:tyune:20210706164847j:plain

 

 

 

 

「なあ…ミカサ」

 

f:id:tyune:20210801174313j:plain

 

f:id:tyune:20210801174352j:plain

「お前…ずっと 苦しかっただろ?」

f:id:tyune:20210801174554j:plain

「……今の私なら それがわかると思う…」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:tyune:20210802212106j:plain

 



「生きてる方か、死んでる方か」

「お前はどっちだ?」

 

「……」

 

 

 

 

「どこにいたって、その女殺して」

 

「体中かっさばいて」

 

 

 

 

「私は…」

 

「どんな姿になっても…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:tyune:20210727115341j:plain

「当然……生きてる方だろ?」 

 

 

f:id:tyune:20210802221820j:plain

 

 

「おいおい……勘弁してくれよ」

「わからないのか?」

 

「名前は?」

 

 

f:id:tyune:20210726170850j:plain

 

 

「そうか…ミカサ」

「そりゃ確かに…」

 

「名乗る価値もねえ男だよな…」

 

 

 

「ミカサ…」

 

「お前はこの先も長生きするんだから…」

 

 

f:id:tyune:20210805123713j:plain

 

 

 

「手あたり次第 男に愛想を振りまき」

「酒を注いで回るしか能のないものなんぞには」

「決して」

 

 

 

 

 

 

 

「………バカにするとか、そういう問題じゃ」

 

 

 

 

 

「天と地の戦い」と呼ばれたあの日から3年

 

エルディア国はイェーガー派が取り仕切る「軍」を結成し

軍備増強に力を注ぐ日々を送っています

 

 

勝てば生きる

負ければ死ぬ

 

戦わなければ勝てない

 

戦え

 

戦え

 

 

 

「特別じゃなきゃいけないんですか?」

 

「絶対に人から認められなければダメですか?」

 

「私はそうは思ってませんよ」

「少なくともこの子は…」

 



f:id:tyune:20210804234407j:plain

 

「ミカサ…」

 

「お前はこの先も長生きするんだから…」

「あの男のことは忘れて――」

 


f:id:tyune:20210804234238j:plain

 

 

 

f:id:tyune:20210804235040j:plain

 

「頼むよ… ミカサ 行かないで……」

 

 

f:id:tyune:20210805111122j:plain

 

 

 

「…うん」

 

 

 

 

「ほら、こんなにかわいい」

 

 

 

 

 

 

 

「早く帰ろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行かないで……



 

 

 

f:id:tyune:20210804234009j:plain

 

おやすみなさい

……ミカサ

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ミカサ」

 

 

 

 

 

 

そうだ……

 

エレンは父親に訴え出たように

 

外の世界がどうなっているか何も知らずに

一生を壁の中で過ごすなんて

できなかった

 

そして

 

今までに死んだ人の命が無駄にならぬよう

自らの命を燃やし

壁の外で燃え尽きたのだ

 

 

 

 

 

 

f:id:tyune:20211116142143j:plain

 

「うん大丈夫、平気」

 

f:id:tyune:20211116142433j:plain

 

f:id:tyune:20211116124929j:plain

 

f:id:tyune:20211116144114j:plain

「俺は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 



【解説】

この後ミカサはジャンとくっつくんだろうなー風に見える

ように仕上げました

 

ええ、諌山メソッドです

といっても、ちゅねの場合、堪えきれずだいぶ分かりやすくしてしまったんですが

(こらえきれないっすよ)

 

元は『君だけだよ』でやろうとしていたカルラとミカサのシーンです

ストックしてあったものの中から、一番強いものを持ってきた!(一応)

 

グリシャの裏切り行為や、我が子が起こした事の罪の重さに耐えられずに、自分が生んだ子はミカサであると思い込んじゃった(思い込みたい)カルラです

世界一悪い子のエレンを消して、普通にいい子のミカサで上書きしたい

自分が作り上げた家庭の、その存在そのものが罪であったことに、自分の居場所と存在価値を失ったカルラが、自分と同じもの(家)に未練を感じていたミカサにすがってしまい、ミカサもカルラの想いを受け入れた

だから「あの男」のことは忘れることにした

というものでした

 

ミカサは自分の心を押し込めて島に帰った

(ちょっとハッキリ言っちゃいますけど)リヴァイと一緒に生きたい気持ちに勝るもの、それを抑えつけたもの、あるいはミカサが逃げこみたい場所はどこかを考えた時に、これしかいない、とちゅねが思い出したのがカルラ(母親)です

 

なぜ実の母親じゃなくてカルラの方なのか?

それはあの時のミカサの心情と共鳴したのがカルラだからなのですか…

 

『エレンの家』というもののポイントは、ダイナが死んでいない以上(死んだと見なされているだけで生きている)、カルラは後妻ではないということなんですよ

愛人、ですよね

カルラはグリシャに騙されて、本来は存在しないはずの家庭を作ってしまった

『エレンの家』はグリシャの慰みものなんです

 

ミカサの知るカルラは、献身的に家庭に尽くしていた

そんなカルラがグリシャに裏切られていたことを、後にエレンもミカサも知ることになりますよね

でもって、グリシャの本当の妻にカルラは殺されてしまっているのだ

 

この意味を本当の意味で認識した時に、カルラに対して抱く気持ちって「気の毒だ…」的なものじゃないですか

カルラにしてみれば、そんなこと思われること自体が屈辱じゃないですか

自分だけが知らなかったという、この恥ずかしさ

からの怒りですよ(^^;)

 

で、これってエレンの怒りに通ずるものがありますよね(^^;)

何も知らずに踊らされていた

てか、ちゅねがここに共感したってだけの話なんだけど

 

でも実際、多くの人に当てはまることじゃないかなあ

だって、騙されてたことを知った時、無知だった自分が許せない=自分を騙していた奴が許せないという感情が沸き上がってきますよね?

 

というわけで、「それでもカルラが作り上げたものが好きです」というミカサの気持ちが、リヴァイを選ぶことをミカサ自身が許さなかった形

リヴァイには自分以外にもいるけど、カルラには自分しかいないと思ったのかもしれないです

まあ、カルラは死んでるんですけどね

要は、ミカサの中の罪悪感です

 

去年の年末にミカサの「父殺し」をやりはじめて、ミカサの場合は「父殺し」が二段階あると予測して、そのつもりでやっていたのですが、いざ進めていったらちょっとずつ違ってきちゃいました

 

整理すると、エレンを斬首した時にひとまず「父殺し」は終わっているのですが、その後にどういうわけか再びエレンに囚われているわけじゃないですか

ちゅねが考えていたのは、ミカサは自分の手でエレンを殺してしまった罪に耐えられずに、事実を捻じ曲げ「エレンは仲間のために悪役を演じて自分を殺させた」という物語の中に逃げこんだ

でした

 

ここを目指すことには変わりないんだけれども、去年の段階では、リヴァイとの件は除外しようと思っていたので、あの丘の木の下で座っているミカサにリヴァイのことは思い出させない

けれども

この画を解読していったら、×3への誘導があったので、やっぱりミカサはリヴァイのこと思い浮かべてるんだよなあ…

これを無視するわけにはいかないよなあ…ということになりまして

で、今回、こうなりました

 

というわけで、カルラです

ミカサは精神的にも成熟しきれてなくて、エレンの家を出て独り立ちしたくない気持ちがあるんですよ、なんだかんだいって

 

ほら、家族の反対で結婚を諦める人って現実でも結構居ますよね

実家を切り捨ててまで結婚することには戸惑いがある

この先も実家とは仲良くしていきたいし、自分の居場所がそこにはあって、そこを失いたくはない

それほど家族って厄介でもあると思う(^^;)

 

で、実はカルラ自身も、キースが好きな気持ちがあったけれども、キースはカルラの家族に好かれていなくて(なんらかの理由で)(調査兵団だろう)、だから諦めて家族が結婚を喜んでくれるグリシャに狙いを定めたのかもしれない

という妄想もしてました

なのでミカサには自分の本当の気持ちに従ってほしいと願っているんだけど、カルラはミカサがかわいくて、でもって夫にも息子にも顧みてもらえないことが寂しくて、ミカサの数年間を貰うことにしたのかもしれない(という妄想をしてました)

 

『君だけだよ』を仕上げる気力がちょっと無くなってて、でも、カルラのところはやりたかったな~という未練があったので、つい入れたくなっただけかも

惹かれちゃってね

蓮っ葉なカルラをやれて、ちゅねは非常に満足してる

69話『友人』のケニーのセリフを使用しております

 

「生きてる方だろ?」というカルラの問いは、ミカサを手放したくない気持ちを抑え込んでいるのと同時に、死んでる方ってのがダイナ(無垢の巨人)で、生きてる方が自分で、どっちがいいか選べと言われたら「生きてる方」を選ぶに決まってるだろ、というカルラの複雑な気持ちが一言で表せているので、ひじょーに気に入ってる

 

当時(2021年8月)一生懸命ちょきちょきペタペタして作った画像↓

「生きてる方か、死んでる方か」

で、島に帰ってからの3年間、独りぼっちで過ごしたことで気持ちの整理もついていき

また、寂しさも募っていき「あなたに会いたい」という気持ちがふくらんでいき、自然に呪縛を破ったということにもなるので(ちゅねは非常に満足してる)

 

×3については、久々に2022年一発目の記事を見返しましたよ…

あれから、あっというまに一年が過ぎてしまって

あの、ほぼ無音にして作ったヤツ

あれに勝るものはちゅねには作れないような気がする

セリフ入れた途端に何かが壊れるわ…(笑)

「コニー!」「兵長!」

「コニー!!」

だけで、じゅうぶん怖いよね

 

リヴァイがずっとミカサに話しかけてたってとこは興味あって、やってみたいんだけど

おそらく自分の見続けてた夢を語っていたんだと思うけど

コニーも加わってるんで、なんか、ちゅねの頭ン中で、牛の出産に立ち会ってるコニーが……

「がんばれ!」「つらいか?」「(ミカサ)がんばれ!」

ってさ、ミカサを牛として見ているコニー像が…浮かんでしまって

 

あと水牛に複数でかぶりついてるライオンの光景とか…

なんか必要以上にミカサを巨大化させているんだよな、頭の中で

 

 

 

エンディング

youtu.be