【進撃の巨人】リヴァイをじっくり考察していくと…

※※最終話までのネタバレあり

 

2022.11.18 最後の方のミカサのセリフの所、少々修正入れました

 

『心臓を捧げよ』の記事をひとまず書き終えたので気持ちが解放的になり(笑)

ポツポツと他の方の感想や意見を積極的に拾って読んだりしてます

 

で、気が付いたことがあるんだけど

リヴァイって行動が支離滅裂だから、じっくり観察していくと必ず矛盾点にぶちあたるように描かれているんですよ

雰囲気だけで乗り切る、そんなキャラだから

作者、雰囲気だけでどこまで乗り越えられるものか見極めたくて、きわきわのきわまで挑戦してるんじゃないかって疑ってしまうほどだ(^^;)

 

さて、リヴァイと似たようなキャラとして描かれているのがライナーなんですが

ライナーと同じと考えれば、おおよそのイメージは掴めるかと思います

うん

ライナーといえば、壁を破壊した張本人のくせに、命懸けでコニーを助けたり、エレンを励ましたりと矛盾したことをやっていた人物だ

マルセルは食われ、アニは囚われ、ベルトルトは死んだのに、自分だけが生き残って故郷に帰ってきちゃうってのも、最後まで生き残ったリヴァイと一緒でしょ

 

一貫性のない人物を、最初から結論ありきで考えようとするから行き詰る

theory.work

 

いいですか

矛盾したことをやっているキャラとして、作者はリヴァイを描いているんですよ

絶対にわざと、やっているんですよ

 

なんでこんなことするんだろうか

作中で矛盾した人物であることが大々的に明かされるならまだしも、そのまま終了してしまうので気持ち悪い感じになっているんですが

別に分かってもらわなくてもいい

みたいな?

天才と呼ばれる人達のやることって理解できないとこあるよね

(;´Д`)

 

まあ、最初は明かすつもりだったのかもしれないとも考えられますが

 

「何でリヴァイって死ななかったの?」と疑問を持たれているのがまた(^^;)

いや、ちゅね的にはリヴァイに死なれると先が続かなくなるので、絶対に生きてないとおかしいキャラ筆頭ですが

そうじゃなくても「死なないでくれ―😱」と思いながら読んでましたが

連載を追っていた最終回までの数話なんて、心臓バクバクで頭おかしくなりそうで、リヴァイの死亡フラグが折れる何かを探して気を紛らわせようとしていたところもあった(笑)

元々は単行本が発売されてから買う派だし、できれば完結済みのアニメ版を一気見して済ませたかったし、あのスリルをもう一度味わいたいだなんて思わんわ!

けど、あれはあれで、いい体験、いい思い出

同じ恐怖と安堵感を味わっていた人たちのコメント読んでは、お腹よじれるほど笑ったし

あれがライブ感というやつなんだね

 

ライナーのパロディ、リヴァイにも当てはまるからね!

「ずっと不幸せでいるために お前に長生きしてほしかった」

 

いや、だから、リヴァイが生きていることに何かしらの違和感があるのは確かなんじゃないの?(^^;)

 

ライナーの場合、矛盾したことをしていた事実は変わりませんが、現実逃避したくなるだけの辛い理由があったじゃないですか

 

どなたかが言ってたけど、こうした違和感あるところに作者の意図が隠されていることが多いらしくて

たしかにそうだな、と、思います

 

ちょっとした違和感、そういった自分の感覚は、何気に大切に耳をかたむけるようにした方がいいのかも

(違和感の正体が自分自身の中にあることもあるよ)

 

ライナー同様に、リヴァイにもちゃんとした辛い理由がある

ずばり、いや、たぶん

80話81話で、多くの若者たちを詐欺演説と気迫でノーと言えない状況にして特攻させちゃったことです

 

もしかしたら、自分の判断次第によっては死なないで済んだかもしれない人達全般(旧リヴァイ班や、ハンジ班などなど)かもしれないけど

でも、旧リヴァイ班やハンジ班の場合はまだ「仕方ない」と思えるだけの原因や理由が存在するけど、マルロ達の場合は明確に「死んでくれ」と命令したわけだから

いわば、明確な殺意が存在したというわけだ

あとベルトルトも入るのかなあ?(敵だったけど拘束状態)(生かすべきと気づいたはずなのに殺した)

自分の目的のために犠牲にした人達という括りにできるな

 

というわけで今回はリヴァイの矛盾を出来る限り上手に説明していくことを目的とします

結局だらだらの下手くそで終わるかもしれませんが

そこはご愛嬌ということで

 

まず、もっともらしく、気高く、美しく描写されるエルヴィンとの誓い

 

リヴァイの目的はジーク=獣の巨人を殺すことで、その理由が死んでいった仲間達に意味があったということを証明すること

 

死んでいった兵士たちに意味を与えることを俺はエルヴィンに託された

 

……ではなかったですよね?

 

エルヴィンの演説は、新兵達に死を選んでもらうために、体のいい方便を並べただけの詐欺演説であることを、エルヴィンはちゃんとリヴァイに伝えています

 

 

体のいい方便

 

 

これも体のいい方便

 

 

もちろん体のいい方便

 

 

すべてが、若者たちに死んでもらうための、体のいい方便

 

www.weblio.jp

www.weblio.jp

 

 

逆に考えよう

なぜ体のいい方便を並べ立てなくてはならなかったのか?

 

それはリヴァイの奇襲作戦の成功率を上げるために、多くの若者たちの犠牲が必要不可欠だったからだろう

「奇襲作戦をする、参加したものはほぼ全員死ぬ、参加したくない者は去ってもいいよ」なんて軽く言ってしまったら参加してくれる人が減ってしまう(ほとんど居ない)

そこを全員参加してもらうために、意図的に、奇襲作戦に参加するような演説をしたのですよエルヴィンは

 

この作戦に参加することは意義のある崇高な行いなのだ!

次の生者に意味を託す

なんと勇敢で美しいことか、若者よ

 

私に賛同する者は後に続け!

 

って感じかしら?

 

で、エルヴィンから「体のいい方便」であると告げられているにも関わらずに

リヴァイは「誓い」という都合のいい言葉でもって、あの日のエルヴィンとのことを美しく装飾してしまうのはなぜでしょうか?

 

【答え】

現実を直視できないから

 

 

俺は気づかなかった

いや、気づきたくなかったのだろう

 

 

 

 

 

エルヴィンは口ではああ言っていたが、裏では絶対にちゃんと人類のことを考えている

エルヴィンは正しいことをする人間だ

 

 

エルヴィンは誰よりも仲間や人類のことを想い

色々と考えていた

 

(と言いつつ……)

 

エルヴィンの頭の中は地下室に行くことしか無かった

俺達はエルヴィンが地下室に行くのをサポートするために集められた集団だった

だからエルヴィンを選ぶのは違うよね?

 

正直に言おう、俺達はただの無能コンビだったということを

 

それだけのことだったけど、

感傷的に物悲しく美しく仕上げてみました

 

 

 

実際はこうでした

リヴァイ、顔面蒼白

 

背後の逃げ惑う新兵達の姿、阿鼻叫喚を消し去り

まるでこの世に二人きりしか存在しないかのような思い出に作り替える

(タイトル『あの日の誓い』)

 

リヴァイが頭の中でやってることはこれと同じ

エレン目線では美しい青空が広がって「自由だ」だけど、足元では人々が踏みつぶされてるわけで

 

この美しさの白い部分には、実は犠牲になった多くの命が隠されているんですよ……ていう表現

 

あの勇敢な死者を、あの哀れな死者を、

まさか忘れたわけじゃないですよね?……ていう表現

 

137話『巨人』

ジークのおかげで形勢逆転できたのに、そのジークを殺してしまうリヴァイ

この時、ジークの首をはねることに何の意味があったのか

死者に意味を与えることに、自己満足以外の何の意味があるというのか

 

みんなの目的は「地鳴らし」を止めること

一人、「誓い」にこだわり続け、意味のない単独行動をしているリヴァイ

 

ちなみにこのシーンで考えなくてはならないのは、なぜジークはわざわざリヴァイに殺されるために外に出てきたのかってことだと思うんですが

一見、地鳴らしを止めてもらうために出てきたようにも見えますが

しかしながら、「地鳴らし」が止まらくなてもジャンは爆弾の起爆装置を押せただろうし、アルミンはエレンの背の上で超大型の力を使って爆発を起こすことは出来ましたよね?

めちゃくちゃ不自然な描写です

 

メタ的には、ジークが死んだことで「地鳴らしが止まった」「エレンがジークを失ったことで始祖の力を使えなくなった」ことがわかるシーンではあるんですが(^^;)

 

ちゅねは既に考察済みなんですが(^^;)

信じてもらえないだろうけど、ジークはエレンを助けるために出てきました

エレンを助けるため、リヴァイの殺意が自分自身に向くように仕向けました(で、そうした弟を想う気持ちをエレンに利用された)

くわしく知りたい方はこちらへ

tyune.hatenablog.com

 

 

 

特別編『リヴァイ兵士長』

エルヴィンて、リヴァイが「犬死に」が嫌いで、何かと理由を求めることを知っていましたよね?(^^;)

他に135話『天と地の戦い』でもリヴァイは「犬死に」を使っているんですが

他にもあるかもしれないけど、ちょっと思い出せない

 

80話での演説にはリヴァイも鼓舞させるための意図がエルヴィンにあったかは不明ですが、詐欺演説には「次の生者に意味を託す」という体のいい方便が使われている

リヴァイはエルヴィンの演説に、詐欺であることも忘れて感動して震えて鼓舞されちゃったはず

 

↓けど新兵達の顔見て我に返っちゃった

リヴァイにとって辛すぎて直視できない現実だった

 

だから背景から消しちゃった



他に例えると…そうだロッドレイス

ウーリの「どうか祈ってくれ」という言葉に囚われて、ウーリを神と思えばこそ全てが正当化でき、自分の子供すら犠牲にすることも厭わなくなる

ウーリが死んでからもずっとロッドレイスは祈り続けることを自分の使命とし、祈り続けるために行動し続けた

それとちょっと似てますね(父子だし)

 

というわけでリヴァイも、都合のいい逃げ道作って都合よく人を扇動してます

そんなリヴァイの犠牲者となったひとりが……ハンジ(ボソッ)

この時のリヴァイの大怪我は、ロッドレイスでいう所の

これにあたる

66話『願い』

ロッドも神に祈ることに固執したせいで、ヒストリアに背負い投げされた(笑)

頸椎損傷でしたっけ?

 

ヒストリア役が誰になるかっていうと、普通に考えれば「クサヴァーさん見ててくれよ!!」のジークですよね

が、もうちっと範囲を広げまして

この時のジークはイェーガー派と繋がっていますので、ヒストリアもイェーガー派ですし

つまりイェーガー派がリヴァイを背負い投げし、イェーガー派はリヴァイの扇動を免れることができました

 

ジークを拘束したリヴァイは、あのあとイェーガー派と合流して、ジークを食わせようとしていましたよね

そのあとでヒストリアに食わせるつもりでした

 

しかしながら、まさにリヴァイの居る森へ行こうとしていたフロック達イェーガー派は、リヴァイを一番の脅威と見なしていて殺す気満々だった

 

76話『雷槍』

「一人も死ぬな!!」とか言って雑魚どもを命懸けで守っていたくせに

「お前ら全員、生きることを諦めて死んでくれ」という選択をするリヴァイ

 

誰かを思い出しますね

もちろんライナー(ライナーとベルトルトの合わせ技)

 

102話『後の祭り』

とか、いかにも聞こえのいいことを部下に言っていても

その時がくれば「諦めて死んでくれ」「俺が最後に決めてやるから」と言われることを身をもって知っている我らがフロック(雑魚の星)

 

安心しろ

お前らが死んだ後でも、必ず約束を守ってみせるよ俺は

必ずだd( ー`дー´)キリッ✧

 

 

 

てめぇはこの世にいちゃいけねぇ奴だ

一体何考えてんだ?

 

本当に気持ち悪いよ

 

お前の正義感に溢れたあの面構えを思い出すだけで…

 

吐き気がしてくんだよ

(byフロック)

 

 

イェーガ―派に殺されるところだった危機的状況から救い出してくれたのがハンジですが

ハンジはリヴァイにとって良からぬことを考えていたので、リヴァイはすかさず都合のいい逃げ道作って都合よくハンジを扇動して

ハンジに調査兵団団長に戻ってもらい、仲間を集めてもらいました

 

 

その時が来れば、頑なに避けていた言葉だって言っちゃうぞ

 

 

呆れるほどおめでたい理想の世界が見たいんだ

 

 

あの景色を…

 

 

それでは95話、96話のライナーの失態と、リヴァイの大失態を重ねてみましょう

※重ねるのは、状況がかぶってるからですよ

 

84話『白夜』冒頭、リヴァイのセリフからスタートします

(ライナー役がリヴァイ、アニ役がミカサです)

 

「お前ら…、自分で何をやっているのか… わかっているのか?」

「エルヴィンを、調査兵団団長を、見殺しにしろと言ってるんだぞ?」

 

「なんで…その冷静さの百分の一でも発揮してくれれば…さっきは」

「獣の巨人か…」

「エルヴィン団長は失わずに済んだのに」

 

「自分の身を守るためなら私達を脅すってわけ?」

 

 

「あんたが総統に弁明しな!!」

「“すべて自分の責任です”って言え!!」

「何が調査兵団だ!!」

「心臓を捧げよだ!!」

調査兵団もそれ以外も全部クソッたれだ!!」

「全員噓っ吐きで!! 自分のことしか考えてないくせに!!」

「私もそうだ!!」

「(私はエレンとアルミンと)生きて帰んなきゃいけないんだよ!!!」

「エルヴィン団長はさっき死ぬはずだったんだろ!?」

 

「悪いと思ってんならそのまま死んどけよ!!」

「罪を被って死ね!!」

 

 

えー

もしもミカサが全ての事情を知っていて、尚且つアニのように弁が立つキャラだったらのシーンです…(^^;)

なんか…冷静になってみると『白夜』って酷いパワハラな回なんだよね

 

こうして状況的に重なっているシーンと並べてみることで、別角度から考え直すことができるんですよ

もちろん壁の向こう側で起きていたことをミカサは知る由も無いので、まったくの架空話なんですが

それにしたって

 

「お前ら…、自分で何をやっているのか… わかっているのか?」

「エルヴィンを、調査兵団団長を、見殺しにしろと言ってるんだぞ?」

 

てのが、そっくりそのままリヴァイのことじゃねーか

ということに気が付きました(^^;)

 

エルヴィンを、調査兵団団長を、見殺しにする選択を自分でしておいて

今さら何を言っておるのかっていう(^^;)

(いや、気づかんかったわ)

エルヴィンとリヴァイが嘘吐きなのは事実ですし、自分のことしか考えてなかったのも事実

 

「自分の身を守るためならエレンとミカサを脅すってわけ?」

 

いや、すごいな、ホントに…

 

好意的に見たとしてもエルヴィンが折れたのは、死んでいった仲間達に悪いと思ったからで、

決して人類の命運のことを考えたわけでは

ないですよね?

自分が死ぬことだって、自分が先頭を走らなければ若者たちがついてきてくれないからで

あくまでもエルヴィンが死ぬ理由は、若者たちに死んでもらうことだ

 

エルヴィンやリヴァイにとっての、かつての仲間たちの死に意味を持たせるために

新兵達に死んでいってもらった

とも言える

 

なによりも

見せ方次第で、理不尽なことをしていたリヴァイがめちゃくちゃ大人な対応をしたように見え、

エレンとミカサがただのガキンチョにしか見えなくなっていたというのが……

おそろしい

 

最初の頃のちゅね→「エレンとミカサ、ムカつくわー」

今現在はただ…目が覚めただけですから

 

といってもアルミンを選ぶのが正しいというわけじゃなく

ベルトルトを人間扱いしないで食べさせちゃうことが一番ダメなところですからね

(-_-;)

ここについてはハッキリと言えるし、自信もある

ベルトルトは誰かを生き返らせるための魔法の道具じゃない

みなさん、早くここに気が付きましょう

 

リヴァイの場合、ボコボコにするアニ役もいなければ、事実を知っているのはリヴァイただ一人だけですし…

85話『地下室』

どうにでも都合よく出来ちゃうよね

 

2022.11.18 追記

ミカサのセリフを「獣の巨人か…エルヴィン団長は失わずに済んだのに」に修正しました

元は「エルヴィン団長も…新兵達も失わずに済んだのに」です

ちゅね的には元のセリフでもいいと思うんですが…

というのは特攻作戦自体が愚策ではないかと疑っているので

(わざわざこちらから打って出る必要はなかったのではないかと)

なぜこんな愚策をとったのかと考えると、エルヴィンもリヴァイも壁の内側で戦っている仲間たちが全滅したと絶望しているからで、要は仲間達の善戦を信じることができなかった

でもこれは、かなりちゅねの想像による補填が多いので、より本編の出来事に沿っているセリフの方が無難かと判断しました

 

「獣の巨人か…エルヴィン団長を失わずに済んだのに」の場合は

エルヴィンを犠牲にする選択をしたのだったら、余計なことを考えずに「獣の巨人」を仕留めろ

そのためにエルヴィンと新兵達は囮になったんだろ、という意味になるので

 

「でも」「だって」

「でもでもでも」

獣の巨人の力を奪えるかもしれない可能性が頭を過ったから…

 

でも、その可能性を考えたせいで獣の巨人を敵に奪われたんだろ?

獣の巨人の他にも知性巨人が居たことをスッカリ忘れてたからだろ?

てめぇの失態だろうが

 

それで「獣の巨人」を奪い返すか殺すかするために、必死こいて壁内まで戻ってきてみれば、自分の部下たちが超大型巨人のベルトルトを捉えるのに成功していた

それでまた、自分の立場を利用すればエルヴィンを生き返らせることができるかもしれないという考えが頭を過り、時間稼ぎをしはじめた

 

リヴァイは自分のせいでエルヴィンを失ったのにも関わらず、部下達の成果を横取りして、自分の失態の穴埋めに使おうとした

 

それらすべてが「自分の身を守るためならエレンやミカサを脅すってわけ?」というセリフに集約されます

これ、読者の心の声(ツッコミ)だな

 

そういやだいぶ前、リヴァイが獣の巨人をしとめるのに失敗したことに激怒していた人の感想を読んだ時は、「でもリヴァイは注射器託されてたし、あそこで躊躇しちゃうのも仕方ないんじゃないかなぁ…」とリヴァイに同情的になってました

 

↓つづき

tyune.hatenablog.com